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彼は猫だった。
白い毛並みに、黒い斑と灰色の尻尾をもっていた。

朝の光の中
他の『猫』という種族とは少し違って
控え目にひっそりと歩いていた

私が話しかけると、小さな声で返事をする。
嬉しくなって一緒に歩いた。

少し行ったところ
集合住宅の駐車場で彼が毛づくろいをするのを眺めている時
黄金色に光る彼の右目が
白く濁っているのに気がついた。

見えていない。

私は彼を政宗と呼ぶことにした
ささかまでもよかったのだが
なんとなく
彼の気高いとさえ言える雰囲気には
そちらの方が合っている気がしたからだ

私と政宗は少し朝の散歩を楽しんだ
私の一歩は政宗の二歩で
のんびりのんびり歩いた

クリーム色の壁にカラメルが焦げたような色をした階段の付いたアパートの前まで来ると
政宗は立ち止まった

そして、ふたふたと私に向かって尻尾を振ると
そのカラメル色の階段を悠々と上って行った

一番上の段からこちらを向いて
最初と同じ、小さな声で鳴く政宗に向かって
私はにんまりと笑った

彼に、上れる階段があるように
私にだって上るべき階段はある

私は薄水色のアパートにとってかえし
政宗に負けないよう
ハイヒールの踵の音も高らかに
ついさっき眠りについた恋人がいる部屋まで
階段を上って行った。
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うまく表現できないけど、
この文、スゴク好きです。
【2008/09/09 01:38】 URL | けとる #-[ 編集]
ありがとうございます^^
朝の散歩っていいものですね♪
【2008/09/12 22:42】 URL | YORI #-[ 編集]














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